このときめきは もしかして恋を

9月15日土曜日 

ロジャースハート大千穐楽

 

 

会場が割れんばかりの拍手で包まれ、その称賛の的に立つ林くんを見たとき、この景色を、ロジャースハートという作品を、一生忘れたくない、と思った。

 

 

 

 

人間の脳は忘れるようにできている。

 

 

 

 

 

日に日に記憶は薄れていくし、もう思い出せないメロディもある。あの時、あのセリフを発した時、あの曲を歌っているとき、ディックはどんな表情だった?どこでブレスをして、どこで溜めて、どこで…

 


あんなに好きだった曲もセリフも声もいつかは忘れてしまう。現実やどうでもいい情報で記憶が上書きされることが怖い。
ディックとラリーが出会って、ブロードウェイで素敵な仲間と仕事をして、恋をして、夢に見た華々しいハリウッドの世界で切磋琢磨する。そんな記憶の中をループしていたかった。

 

 

 

 

 

初めてこの作品を観劇した日、暗闇の中に聞こえる足音も、床の軋む音も、冒頭のピアノ演奏も、妙に落ち着いた心持ちで聞いていた。舞台が暗転するまであんなに震えてた手からも力が抜けていた。けど、

 

 

 

 

 

「時は1918年のニューヨーク」

 

 

 

 

林くんの声を聞いた瞬間、いろんな感情が爆発して、泣いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

私が林くんの存在を知ったのは今年の滝沢歌舞伎、そして好きになったのが歌舞伎も終盤に差し掛かったころ。初めて”好きになるのが遅すぎた”と、しても仕方のない後悔をした。

ロジャハが始まるまで毎日のように過去の出演作を見返したけれど、本人がどんな気持ちでグループにいたかは別として、私が見たThey武道宇宙Sixで生きる林くんには魅力がありすぎた。だからこそ、リチャード・ロジャースとして生きる林くんを見て、胸が締め付けられるような…もうアイドルじゃないんだな、役者なんだな、キラキラした衣装を着て踊る姿は見れないんだなという現実を叩きつけられた気がした。過去は過去だ。どうあがいたって戻ることも繰り返すこともできない。

 

 

 

 

私が早く会いたいと懇願していたのは”アイドル”の林翔太で、その日スポットライトを燦燦と浴びていたのは”役者”の林翔太だった。

 

 

 

 

1時間40分という短い上演時間。でも、林くんの未来がぎゅっと詰まった時間だった。

 

 

 

 

帰りの新幹線で、いつまでもこの目で見たことのない過去にしがみつくのは辞めよう、と決めた。過去を否定するわけじゃない。彼の歩む未来を、少し後ろから、見続けたいという気持ちが芽生えたからだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ディックとして舞台に立つ最後の日、林くんはこう言った。


「初主演は人生で一度きり。」


多くは語らず、いつもとおんなじ落ち着いた様子で。

 

 

 


この人ならきっと、これからも素敵な景色を見せてくれる。指の骨と骨が当たって、痛くて、手の平が真っ赤になるくらいの拍手をさせてくれる。

 

 

 


私は林くんがアイドルだった17年のたった一日も知らないけれど、これから歩んでいく役者としての人生は知ることができる。幸せなことだなぁと心がポッと温かくなった。

 

 

 

 

林くんが好きです。今、一番応援したい人です。

 

 

 

ジャニオタ特有の担当制度はなかなか好きだったから〇〇担です*1って名乗ることはもうないんだな~と思うとちょっぴり寂しいし、周りに舞台班を応援してる人も少ないけど、未知の世界に一人で飛び込むってワクワクする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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*1:担当はアイドルに対して使うものと考えてるので、私にとって役者の林くんには当てはまらない。